吐き気を感じたり、我慢できず嘔吐してしまったときは、その背後になんらかの病気が隠れていることは間違いないと思われます。
中でも、冬場の時期ならすぐ思いつくのがノロウイルスです。
ノロは、ウイルスによる感染性胃腸炎ですが、こちらは、感染しやすいので、この時期、冬場は特に気を付けないといけません。
ですが、吐き気は何も食中毒が原因とばかりは言えないようです。
吐き気がすると、「食中毒かな・・・」とつい思ってしまいがちですが、自律神経の乱れが原因で吐き気が起きる場合があります。ここではこれらの吐き気の違いについて検証してみたいと思います。
吐き気の原因は自律神経失調症!?
吐き気、嘔吐が起こる原因はノロではない場合、自律神経失調症によるものが多いと言われています。
自律神経失調症が起きる原因は、自律神経のバランスが崩れることでおきてきます。
私たちの体は、脳からの命令を伝え、外の情報を得るために、体の隅々まで神経がはりめぐらされています。
神経には手を動かしたり、温度を感じたりする「体性神経」と、
体温調節や脈拍数調節などの体の調子を整える「自律神経」の2種類があります。
自律神経は交感神経と副交感神経とのバランスでできています。
交感神経というのは体をアクティブにしてくれる自律神経。副交感神経というのは体をリラックスさせてくれる自律神経なんですが、これら2つの自律神経が、高くなったり低くなったりして、お互いのバランスをとっているのです。
ところが、自律神経のバランスが崩れると、いつも意識せずにとれている体のバランスが崩れて、吐き気や頭痛、冷え、下痢などの体の不調が起こってしまうのです。
自律神経のバランスが崩れると、自律神経失調症が起きます。そうすると、体のバランスが崩れるため、いろいろな症状が現れます。
その症状は、吐き気のほかに頭痛や動悸、立ちくらみ、冷え、胃もたれ、便秘、下痢、のぼせなどです。
自律神経失調症になる原因で一番多いのは、ストレスです。肉体的疲労や、精神的なプレッシャーが考えられます。
責任感が強かったり、まじめだったりすると、ストレスをため込みやすくなり、自律神経の不調をきたしやすいのです。
吐き気はするのだけれども、どうも食中毒が原因でなさそうだ・・・というときは、自律神経失調症を疑ってみると、改善に役立つかもしれません。
なお、自律神経失調症による吐き気の改善で一番役に立つのは、ストレスからの解放です。
気持ちをリフレッシュさせて、ストレスをコントロールできるようになると、改善されていきます。
自律神経失調症による吐き気の対処法
自律神経失調症は自律神経の乱れにより発症する病気で、吐き気、頭痛、動悸、立ちくらみ、のぼせ、冷え、胃もたれ、便秘、下痢など、いろいろな症状が現れる可能性があります。
吐き気がつらい、なかなか治らない、というときは、今の自分のまわりの環境を振り返ってみましょう。
「最近、忙しくて睡眠不足になっていないか?」
「緊張が続いていないか?」
「将来に不安を感じていないか?」
「生活環境が最近、大きく変化していないか?」
もしも心当たりがあるのなら、それらを自覚し、生活のリズムを変えてみることで、症状が和らぐこともあります。
それでもまだ症状が変わらない時は、内科や心療内科などで検査を受け、他に疾患がなければ、お薬の処方があるかもしれません。
自律神経失調症の症状があらわれている場合、ストレスを取り除き、リラックスするのが一番よい解決法です。ヨガなどの軽い運動や、リラックスする時間を持つことで、改善されていく場合もあります。
そういうときに、効果が期待できるのが入浴です。
自律神経失調症の吐き気に効果的は「入浴」
入浴にはリラックス効果があり、自律神経のバランスを整えるのに貢献してくれます。
自律神経を整えるための入浴は、夕食後から寝るまでの3時間を使います。
この時間は、質の良い睡眠をとるための準備のための、大切な時間だからです。
入浴をその準備のためにとりこみましょう。
この場合、眠る前の入浴は、体を清潔に保つことが一番の目的ではありません。
最大の目的は、1日を終えて、滞った血流をリカバリーするためです。
心と体をリカバリーするためにおすすめの入浴法では、お湯の温度を39度~40度に設定します。
入浴時間は15分間にします。
最初の5分は、首までつかり、残り10分はみぞおちくらいまでの半身浴にします。
この入浴法にすると、血流改善に役立ち、直腸温度を上げすぎずに体の深部体温を適温に保たせてくれます。
お風呂から上がったらコップ1杯の水を飲みましょう。
この入浴法を実践すると、脱水症状も起こさず、最適な状態で体の老廃物をデトックスしてくれます。
さらに、お風呂から上がった後も、いつまでも体がポカポカします。
自律神経が整ってきて、安眠しやすくなります。
自律神経のバランスを整えたいのなら、熱すぎるお風呂はおすすめしません。
一般的に、お風呂の適温は42度~43度と言われています。
これくらいの温度が、一番入っていて気持ちいいですよね。
しかし、医学的見地からすると、この温度は熱すぎます。
熱すぎるお風呂に入ってしまうと、交感神経が急激に上がり、血管が収縮して、どろどろ血液になってしまいます。
直腸温度も急激に上がります。
これが自律神経のバランスを崩してしまいますので、お湯の温度には注意しましょう。
まとめ
吐き気というのは、生活していて、わりあいと身近な深い症状です。
明らかな食中毒の場合を除き、この吐き気、いったい原因はなんだろう? と思っても、なかなか答えが出にくいのです。
吐き気、嘔吐が内臓疾患によるものでない場合は自律神経失調症による吐き気が考えられるようです。その解決策はストレスの開放が一番です。
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